障害児(者)の音楽療法の効果

 

グループ活動の場作り

障害の種類や性質によって多種多様な子供たちを1つのグループとして取りまとめるのは大変困難ですが、音楽があることにより、場に一体感が生まれ、グループがスムーズに機能するようになります。自分がそのグループの一員であることに気づき、お友達との関係に意識を向けることから「社会性」を身に着けます。音楽はそのきっかけつくりにとても効果的です。

 

身体運動への誘導

音楽のリズムやメロディーには運動的な側面があり、走ったり、歩いたり、ジャンプしたりという体の動きを誘発し、サポートすることができます。また、能動的な身体運動への働きかけだけにとどまらず、筋肉の弛緩や脱力といった「身体の力を抜く」活動への誘発もスムーズに行うことが可能です。「手足の連動」や「指先のコントロール」なども、音楽を取り入れながら行うことで、楽しく身に着けることができます。

 

感情表現やコミュニケーション

音楽は感情誘発のツールとしても有効です。自分の内側から湧き出た感情の確認、表現を音楽は後押しします。楽器演奏などの能動的な音楽活動による気持ちの発散だけにとどまらず、音楽には情緒を安定させたり、子供たち同志の関係性を良くしトラブルを少なくする効果もあります。言語に障害がある児童や自閉症の児童にとっては、コミュニケーションのツールとして音楽は重要な役割を果たしています。

 

学校学習や日常生活の強化刺激として

音楽療法活動で養った集中力や、遊びを通して身に着けた模倣する力が、普段の学校学習の時間にも生かされているようです。また、多動が軽減した、自傷的行動が軽減したなどの報告も多くいただいており、音楽は心理的な抑圧の軽減にも一役買っています。音楽療法の時間内だけでなく、この体験を通して毎日の生活がより楽しく豊かなものになることでしょう。

 

健常の子供とのかけはし

音楽というのは、障害児と健常児が場所と時間を共有して一緒に楽しむことができる活動です。きょうだいや近所のお友達などが一緒に参加してくれることで、障害児の住む世界はぐっと広がり、充実したものになります。また、健常児にとってもとても価値のある経験になることは間違いありません。心のバリアフリー化をまずは子供たちの世界から作っていきたいと願っています。