【東京】音楽療法に20年携わってきた実績

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2024.09.03
「長崎の鐘」藤山一郎 について

こんにちは。
長いようで短かった夏休みがあけて、またあわただしい日常が戻ってきました。
切り替えが難しいお子さんも多いので、しばらくは慣らし期間で落ち着かないというご家庭も多いかもしれません。

さて、子供たちが夏休みを満喫している8月に、高齢者施設で毎年必ず歌う曲をご紹介しますね。
それがこちら、「長崎の鐘」。歌っていたのは藤山一郎さんです。


こよなく晴れた 青空を
悲しと思う せつなさよ
うねりの波の 人の世に
はかなく生きる 野の花よ

なぐさめ はげまし 長崎の
ああ 長崎の鐘が鳴る

抽象的な歌詞ですが、平和を祈る強い気持ちがしっかりと伝わってきます。
ちなみにこの曲の作曲家は、NHKの朝ドラ「エール」の主人公でもおなじみの古関裕而さんです。

古関裕而という人は戦前から作曲家として活躍していたわけですから、
もちろん戦時中は国民を鼓舞する音楽をたくさん産みだしてもいました。
なんとも複雑な時代にの波に飲み込まれてしまった古関裕而ですが、
「長崎の鐘」では短調ではじまったメロディーを中間部から長調に転調させています。
冒頭の緊張感漂う重々しいメロディーが、途中で希望溢れる明るいメロディーに一気に変化するこの曲。
原爆の被害にあった方々の鎮魂歌でありながら、未来への希望を忘れてはいません。

時代に翻弄された古関裕而という人の、静かながらも強い気持ちが伝わってくるそんな曲です。
きっとあと10数年もすれば「長崎の鐘」を歌える人はいなくなってしまうでしょう。
時代の移り変わりとともに近い将来その役割も終える、そんな曲でもあります。