【東京】音楽療法に20年携わってきた実績

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2024.06.03
6月のうた「雨ふりお月さん」

こんにちは。
気象庁の発表はまだのようですが、本格的な梅雨入りを予感させる最近の東京です。
大人たちは雨の日が続くと外出が面倒に感じますが、我が家の5歳児は雨の日こそ楽しそうにお出かけをしています。
うらやましい限り!

さて今日は、ぴっちぴっち ちゃっぷちゃっぷ らんらんらん♪の、雨降りを楽しむ童謡ではなく…
あまりみなさんになじみのなさそうな「雨ふりお月さん」という曲をご紹介します。
ちなみに作曲は中山晋平、作詞は野口雨情です。
六八コンビとも称された昭和歌謡の名コンビ、永六輔&中村八大以上の名コンビですね。

 雨降りお月さん 雲のかげ
 お嫁にゆくときゃ 誰とゆく
 ひとりでからかさ さしてゆく
 からかさないときゃ 誰とゆく
 シャラシャラ シャンシャン 鈴つけた
 お馬にゆられて ぬれてゆく

YouTube等で聴いていただけばわかる通り、少し物悲しい感じの曲です。
歌詞の情景ととても合う、しっとりとした3拍子のメロディーが哀愁を誘いますね。

一人の女性の人生の機微を、巧みに表現した短い歌詞とメロディーですが、
みなさんには、古い唱歌を検索すると必ず出てくる『歌詞の意味を考察する』といった
Wikipedia風のサイトはいったん見るのをやめてほしいな、とも思います。

調べれば、野口雨情の奥さんが~とか、娘が~といった情報はたくさん出てきますが、
純粋に、歌詞とメロディーの完璧なマリアージュを味わっていただきたいのです。

指先一つでなんでも調べられる時代ではありますが、
野口雨情が何も言っていない以上、「歌詞の考察」ページはどこまでいっても考察です。
現代とは全く違う様相の婚姻の風景がかつては確かにあり、
それを見事に唱歌として表現した作詞作曲家を大いに尊敬します。
こんな短い曲なのに情景が目に浮かぶだけでなく、
馬の鈴の音やゆったりと歩くその蹄の音まで聞こえてきそうなんですもの。
そして馬に乗ったお嫁さんの複雑な心境まで伝わってくるんですから。

唱歌って本当に素晴らしい!