【東京】音楽療法に20年携わってきた実績

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2025.07.02
7月のうた「夏の思い出」

こんにちは。

本来なら梅雨真っ最中のはずの日本列島。
今年は全くと言っていいほど梅雨らしさが感じられませんね。

「今日も昨日も雪の空~(早春賦)」ならぬ
「今日も昨日もカンカン照り」

そんな本格的な夏到来といった今日の東京です。

さて、久しぶりに唱歌についてお話をしたいと思います。
今月取り上げるのは「夏の思い出」という曲です。
ちなみに、毎月唱歌の解説をしていた去年は、
7月は「椰子の実」をとりあげていました。
よかったら読んでみてください。

「夏の思い出」


夏が来れば 思い出す
はるかな尾瀬 とおい空

霧のなかに うかびくる
やさしい影 野の小路

水芭蕉の花が 咲いている
夢見て咲いている 水のほとり

しゃくなげ色に たそがれる
はるかな尾瀬 遠い空


夏が来れば 思い出す
はるかな尾瀬 野の旅よ

花のなかに そよそよと
ゆれゆれる 浮き島よ

水芭蕉の花が 匂っている
夢見て匂っている 水のほとり

まなこつぶれば なつかしい
はるかな尾瀬 遠い空

小中学校の音楽の教科書でもおなじみの曲ですので、
すぐにピンときた方も多いのではないでしょうか。
戦後まもなくラジオから流れてきたこの曲はたちまち人々の心をつかみ、
同時に尾瀬への旅行者もぐっと増えたそうですよ。
しかし、現在はあまり観光地として人気が高いわけではない尾瀬ですので(ごめんなさい。笑)、
ピンとこない方も多いのではないでしょうか。

私も音楽療法士として大人になってから再びこの曲に出会い、
高齢者の方たちと毎年毎年歌い続けることがなかったら、
尾瀬について今でも興味関心がなかっただろうな、
というのが正直なところです。

歌詞の文句がとても美しいですよね。
「水芭蕉の花が夢見て咲いている」や、
「しゃくなげ色にたそがれる」という表現が素晴らしいのはもちろん、
「花のなかに そよそよと ゆれゆれる 浮き島よ」
も素敵だと思いませんか?

『島の周りを花が揺れている』 ではなく、
『花の間に島が揺れて見える』 という見方をすることで、
歌を聴いているこちらにまで花の香りが匂ってきそうなくらい、
たくさんの花が咲きみだれていることが想像できます。

作詞は江間章子さん。
故郷の岩手県は尾瀬のように水芭蕉がたくさん咲く土地だったそうです。
Wikipediaによると、わが東京都世田谷区の名誉区民でもあられるそうですよ。
急に親近感がわきました。笑

この夏、暑さと喧噪から逃れて尾瀬に避暑に行くのも一案ですね。